とうきょう、ときめくめくるめく。

96年生まれ、東京・高田馬場在住のサブカル戯れ日記。

R-1グランプリ2018  優勝/濱田祐太郎

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 2018年のR-1グランプリは漫談師・濱田祐太郎の優勝で幕を下ろした。

  話しかけたいのに話しかけられないくらいの「距離」にいる<他者>と視聴者を繋ぐことをテーマにしたテレビ番組(『月曜から夜更かし』、『世界の果てまで行ってQ』、『激レアさんを連れてきた』)が確かな人気を獲得している今日*1において、濱田祐太郎は視聴者の前に新たな<他者>として立ち現れた。(「お茶の間dポイント」の高さ!!)*2しかし、彼の漫談で描かれる人たちは<他者>ではなく、いつの日かの我々自身だ。「使わないのに一応教室に黒板を設置する」ご都合主義や「心の目」なんかを信じてしまう精神主義に誰もが一度陥ってしまったことがあるだろう。濱田祐太郎の面白さとはこの逆説さだと感じる。

 おそらく彼はテレビを「視ない」し、テレビのルールなんて知らない。それゆえに彼の振る舞いは驚くほど「リアル」だ。誰がお笑いショーレースの賞金プラカードをもらった際に「(500万円を)お前ら盗るなよ!!」なんてボケをかませるだろうか。

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  ここ3年のR-1グランプリは全て「リアル」を伴ったた芸人が優勝した。虚構度が高い“ひとりコント”はいよいよ時代に取り残されてしまっている。コントの行間を読み込む能力が本当に視聴者になくなってきていると感じる、どうしても。*3

 

 今年のR-1は“お笑い”の潮目が劇的に変わった大会だった。とりあえず私は一人のお笑いファンとして今週(もしくは来週かな??)の『ワイドなショー』を楽しみにしたいと思う。

*1:情報環境の変化において「繋がりたい人」とはいくらでも「繋がれる」ようになったのに対して

*2:ただ、ルシファー吉岡、河邑ミク、紺野ぶるまに対しては「お茶の間」の悪いところが全開だった...

*3:マツモトクラブは今回も最高だった